アルマクと幻夜の月
俯いたアスラの頬にそっと触れるものがあって、アスラはハッと顔を上げた。
「……アス、ラ」
ナズリの震えた声が耳に届く。
アスラは頬に添えられた手をぎゅっと握った。
「……あなた、は、……生き、て……」
小さな、しかし強い声音でそう言って。
ナズリは薄く微笑んだ。
「ははうえ……?」
手の中で、ナズリの手のひらが力を失っていくのがわかる。
見る間にナズリの瞼が閉じていく。
まだ、暖かいのに。