先生が好き

翌日、あたしはちぃに話を聞こうと思い、いつもの場所のベンチに呼んだ。


「亜果梨、話って?」

「ねぇ…ちぃ…何かあったんでしょ?」

「へっ!?…なっ何もないよ…。」

ちぃの顔は少しひきつっていた。
少し涙目にも見えた。

「千郷!ちゃんと言ってよねっ?ちぃ? 」

そう言った途端ちぃは泣き出した。おえつ混じりで…泣きじゃくった。

「ぅぅ…っ…ゲホッ…ぅぅ…亜果梨ぃ…」

10分ぐらい泣いて、落ち着いたみたいでちぃは、話はじめた。

「亜果梨、あのね…龍樹ね新しい彼女もう出来たんだって。その子と龍樹が歩いてて、あたしに気づいて…歩いてきて…彼女をあたしに紹介してきた…彼女があたしに…『龍樹って、激しいのね!あなた体験した?』とか嫌味ばかり…龍樹の事忘れかけてたのに…」

ちぃ…ごめんね。

気付いてあげられなくて。
「ちぃ…辛かったね…ごめんね…本当にごめんね…」

「何で、亜果梨が謝るの?
「だって…」

「亜果梨、ありがとう。
すっきりしたよ。」


さっきまで隠れていた夕日が雲から覗き始め…
綺麗なオレンジ色に空が染まり…

あたしたちの帰り道をオレンジ色で照らした。
< 50 / 201 >

この作品をシェア

pagetop