仮面生徒会長
波乱の入学式



白波学園。幼稚園から大学まである有名学校


成績優秀な者なら学費を援助してもらい、入ることができる。


お金持ちの集まる学校ではなく、むしろ一般家庭で育った生徒が多い。


ただ一つ言うと、物凄い偏差値と生徒の優秀さはかの有名な東大を凌ぐ程。



そんな白波学園高等部に優秀な成績を勝ち取り入学できたことは、奇跡としかいいようがなかった。


「新入生代表の挨拶。遠藤由里子さん」


名前を呼ばれ、私は背筋をピンと伸ばしながら登壇した。


周りの視線に押しつぶされそうになる。


新入生は、いかにも真面目そうな三つ編み眼鏡の女の子もいれば、今時そうな格好(なのかはよくわからないが)茶色の髪を緩く巻いた女の子もいる。

成績に見た目は関係ない。そのことがよくわかる光景だった。


真っ直ぐ前を向き、言葉を紡ぐうち、ふと生徒会側の席に視線を移す。


生徒会長·滝沢 青

あお────変わった名前だなあ


姿勢は正しく、身動き一つしない黒縁眼鏡の男子。

端正な顔立ちで、どこか不思議なかんじのする雰囲気をしていた。



「新入生代表、遠藤由里子」


礼をし、降壇する。



それと入れ替わりに、生徒会長が登壇した。

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