ビター・スウィート



年下の菜穂ちゃんは彼氏とお泊まりデート……なのに私は、私は……!

私だって相手くらいいれば一人で映画なんて見ないよ!



「愛しの広瀬さんをデートに誘ったりとかしてみないんですかぁ?」

「それが出来るならとっくにしてるよー!自分から動けないから今だに片想いなんじゃんか!」

「そう言われればそうですよねぇ、ちー先輩受身すぎぃ」

「うっ…」



そう、想う気持ちばかりで動けないのが私の悪いところ。

好きなら好きで、デートに誘うとかアプローチのし方はいろいろあると思うけど……何年『後輩』という位置にいても、それすらも緊張して出来ない。

動かなきゃ変わらない、けど……デートに誘う、なんて無理!



「あーもう、いいの!休日は休む日と書いて休日というのであって、だから私の行動は間違いじゃなくて……」

「ちー、いる?」

「え!?はい!?」



すると、その声とともに突然ドアから顔を覗かせたのは噂をすれば何とやら…広瀬先輩。白いワイシャツに水色のネクタイが今日も爽やかだ。



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