キスから始まる方程式


は……っ、そういえば……!



ようやく先程の桐生君の爆弾発言を思い出した私は、改めて桐生君に詰め寄った。



「な、なんでさっきあんな変なこと翔に言ったのよ!」

「変なことって?」

「だから、『俺の女だ』とかなんとかに決まってるでしょ!?」

「ああ、あれか」



涼しい顔をして私の言葉を愉しむように返事をする桐生君。



「だって本当のことだろ?」

「なっ!? 本当も何も、私まだ桐生君と付き合うなんて言ってないっ!」

「へ~っ……? じゃあ写真のこと、あいつにバラしてもいいんだ?」

「うっ……、それは……」



ニヤリと口もとに悪魔のような笑みを浮かべながら、桐生君が呟く。



こんな悪魔みたいなヤツに弱み握られてるなんて……最悪!



反論することもできず、怒りのやり場に困って心の中でひとり毒づく情けない私。
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