ミカとひろと
ひろと その3
彼女が、こっちを向いた。


僕の足は地面に埋められてるかのように、固まり、動けずにいた。



顔はこわばっていた。でも…



何か言わなきゃと思い、とっさに



「き、今日いい天気ですよねぇ。いやぁ、まいっちゃうなぁ。」



すると彼女は即答した。



「今日、雲ってますし、これから雨降るみたいですよ。」



僕、やっちゃったよ…。
後悔で頭がいっぱいだ。



しばらく沈黙が続き、重い空気が流れた。



その時だった。
彼女は言いづらそうに



「あの…」



「“あの…”?」
僕は、おそるおそる、きいてみた。


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