【長】野球ボール
教室に着いて、すぐにあたしは一輝に駆け寄った。
「一輝聞いてっ」
「朝から何だよ…」
テンションの高いあたしに対し、まだ眠そうな一輝。
そんな一輝の耳元で、あたしは呟いた。
「成宮さんと付き合うことになった」
一輝ならいつもみたいにニヤッて笑って、よかったなって言ってくれると思ってた。
けど…目の前にいる一輝は、少しの沈黙の後。
「……あっそ」
素っ気なくそう言って、顔を机に伏せて寝てしまった。
そしてその日の補習中、一輝が起きることはなかった。