【長】野球ボール
「か、一輝っ」


「悪い♪けどずっとそこにいる叶夏も悪い」


一輝は笑いながらそう言った。

今年最初の笑顔!!


「皆のためにお願いしてたんだもんっ」


「どーせ自分の願いばっかしてたんだろ?」


一輝はそう言いながら、あたしの頭に落ちたお金を拾い上げる。




「え…五百円玉?」


一輝の手の中にあるのは、間違いなく五百円玉。

他の皆は結構ケチってるのに!!


先輩は野球だから、89円なんて人もいたけど。

五百円玉はきっと一輝だけ。


「だって小銭これしかなかった」


気にせずそのまま投げて、手を合わせる。
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