【長】野球ボール
「え…?」


頭が真っ白になるってこういうことなんだと思った。


「俺、昔からこの気持ち変わってない。でも叶夏に避けられるのが怖くて…今まで何も言えなかった。でも爽が告白したって聞いて…俺、何やってんだって考えた」


あたしは何も声が出ない…。

一輝…?


「本当は今日、俺も気持ち伝えようって思ってたんだ。けど、さっきさ…あんなことあって正直パニクった。そんで頭冷やそうと思ってコンビニ寄ったんだ」


あんなことっていうのは…キスのこと?




「そしたら…叶夏わざわざ走って、ボール持ってきてくれたじゃん?まじで超うれしい」


一輝がかわいらしく笑顔を見せた。


「なんか全然うまく言葉にできてねぇけど…誰よりも俺は、叶夏のことが好きだから。えっと…覚えててくれよな」


それからまた一輝が送ってくれたんだけど、ほとんど記憶にない。


覚えてるのは…胸のドキドキぐらい。
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