【完】純白の花に、口づけを。
PURE WHITE*FINAL

◎一度きりの




───
──




充実してる時ほど、時間が進むのは早い。



いや、充実じゃなくてただ忙しかっただけだけどな。



「ごめんね、和架。準備するのちょっと遅れちゃった」



愛しい声に振り返って、ふっと笑ってしまう。



すげー、可愛い。



「遅れたって、数分だろ?そんぐらい気にしねーから、行こ」



「うん」



淡い桜色のワンピース。



春のイメージが強いそれだけど。



秋に着てても、普通に似合う。可愛い。



千花が着てるから、特に可愛い。




「あ、そろそろ時間か。じゃあ、俺は家で暇してる。いってらっしゃい」



リビングのソファで彼女とイチャついてた瑞希が、こっちに声をかけてくる。



ちなみに今日は土曜だから彼女は休みで、泊まりに来てる。



っつーか、どんだけイジめてんだよ。



彼女の顔、すげー真っ赤だけど。



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