【完】純白の花に、口づけを。



千花の体を、ゆっくり自分の方へ向ける。



腕の中で、戸惑ったように千花は俺を見上げた。



これが、最後だ。



「あのな、」



──♪~~♪~~♪



「「………」」



「ご、めん。ちょっと出ていい?」



「あぁ」



千花をゆっくり離す。



「ハルだ…」と呟いた千花は、電話に出た。



出て欲しく、なかったけど。




「あ、うん。和架なら今一緒にいるわよ?」



……俺?



「え……?」



なんだ?と考えていれば、千花が突然、言葉を失った。



「千花?」



「う、そでしょ……?」



「どうした?」



千花は、首を横に振って。



何度か話したあと、「わかった」と電話を切った。



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