【完】純白の花に、口づけを。



なんていうか、柔らかいというか。



「和架に似合うと思って選んだんだけど、気に入ってくれた?」



“白魏グループ”の、跡取りだから?



お嬢さま学校の、シワひとつない制服。



俺が抱きついたらシワが出来るのに、千花はいつも何も言わずに抱きつかせてくれた。




「うん、気に入った」



ゴチャゴチャしたものより、シンプルな方が好きなのは俺も千花も同じ。



“幼なじみ”としての、好きが募る。



「玄関にいないで、入ってきなさい」という母親の言葉に、千花の手を引いて、俺はリビングへと入った。



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