あなたのハートを私に…
promise1

いつもの朝

チリリリン!チリリリン!チリ…ガチャ!
うるさい目覚ましの音をとめる私。

なんでこんな早く目覚ましなるの?
あ…今日から学校だから昨日セットしといたんだぁ~忘れてたぁ~…
…あと、五分!!ぐー…………………。

「…里…麻里!!杏奈ちゃんが来てるわよ!何してるの!早くしなさい!!…ったく、今日から新しい学年なのに…ねぇ、杏奈ちゃん。」
「はは…はい。」杏奈の声。
あ、あー!!五分のはずが!十五分も…
最悪…。ってか、杏奈が来てるだとぉ…?

やば、やばい…。急いで制服を手に取ると、私の唯一の特技の高速着替えを始める。あ、あとテニスも得意。テニス部だよ!

本当は、車椅子の杏奈と一緒に入れる部活に入りたかったんだけど…。杏奈が「私、気を使われるの嫌いだから。入りたい部活に入れ。」って本当に嫌そうなカオして言うから……。ためらいなくテニス部に入ったんだ。(私は外で大暴れしたいタイプだし)



着替え終わると、ドタバタ音を立ててリビングがある一階へ行く。

「おっはー杏奈!」玄関に車椅子がある。
そこから近いソファーに慣れない様子で座っている杏奈に挨拶をした。
「お、おっはー…!あのさ…」
「なぁに…?」
満面の笑みで答える私。
「ワイシャツ、向き…逆…だよ…」
うわぁぁ!!満面の笑みで答えてしまった私。さぞバカらしかっただろうなぁ…。
「…着替えてくる!!」急いで階段を駆け上がると…………………コケた。


「あらあら。本当に落ち着きがなくて恥ずかしい子ね…。学校でもあんな感じかしら?」お母さんの声。
杏奈、絶対に「はいそうです」とか言うなよーー…
「はい。そうです…」
こらァァァァ!杏奈めぇ~。
「ウチの娘、いつも迷惑かけていてごめんね!」
「いやいや…全然…」
…なんかムカつく。

「ふぅぅうんだ!」自分の部屋の前までくると、ピシャンと音を立ててドアをしめた。


< 2 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop