魔女の瞳
ジワリジワリと。

膨張した魔力を小さくしていく。

「あぁぁあ…!」

負荷に耐えかねて、エリスが声を上げる。

「だめぇ…だめだよメグさん…痛いよっ…我慢できないよっ」

「大丈夫、もう少し…私を信じて」

必死に励ましながら、私はエリスの手から魔力の渦を引き剥がす。

ゆっくりと、ゆっくりと。

青白い爆弾は、エリスの手の中から離れていく。

「っ…はっ…はぁっ…」

魔力の渦を手放した事で、エリスはヘナヘナとその場に腰を抜かした。

これで大丈夫。

エリスは疲労しているものの、どこにも怪我はしていないようだった。

「よく頑張ったわね、エリス」

私も安堵の表情を浮かべ、その瞬間、つい気が緩んでしまう。

…それがいけなかった。

何とか抑えつけていた魔力の渦が、私の油断で大きく膨れ上がり。

「!!!!」

ボンッッ!!!!と。

破裂音を立てた。

目の前に広がる青白い光。

飛び散る鮮血。

エリスの頬に、私の顔に、血がこびりつく。

油断した。

…まぁいいか。

エリスは無事だったんだし。

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