花の名は、ダリア

そしてまた、夜が更ける‥‥‥

まさか二夜連続なんて、21時からの洋画劇場みたいなコトはないだろう。

てか、次があるとは限らないワケだし。

うん、ナイナイ。

ナイよね、うん…

だけど‥

もしも。

もしもまたあの人が訪れたら。

やっぱ、会っちゃマズいと思うワケ。

昨夜は衝動に駆られて誘うようなコト言っちゃったケド、やっぱ、この病気を感染しちゃマズいと思うワケ。

『風邪、感染っちゃったネ、テヘペロ☆』
みたいな、お手軽なモンじゃねぇンだから。

そーだよ。
ダメダメ、人として。

よし、決めた。
寝たフリしてやりすごそう。

顔を出さなきゃ、あの人は手を洗ってサっサと帰るだろう。



障子の隙間から覗き見するくらい、いーンじゃね?

いやいや。
ダメダメ、人として。

いやいやいやいや。
ダメダメ、コレは俺的に。

だって俺、元々ガマンとか出来ねぇタイプだもん。
『自制』なんて文字、俺の辞書にねぇもん。

姿を見れば、近づきたくなる。
近づけば、触れたくなる。

触れてしまえば、その後は…

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