花の名は、ダリア

ハイ。
曝け出すにも程デシタ。

こんなの、彼女を困らせるだけだ。

彼女にだってこの病が感染している可能性が高いのだから、無駄に不安を煽っただけだ。

こんな愚痴、重いだけ…

重いだけ…


「…
重いです。」


項垂れるどころか前屈の姿勢になって、ソージは呻いた。

背中にガッツリのし掛かられているようだ。

もちろん、彼女に。

いやいや…
ちょっと前なら全然平気ってか、むしろウェルカムってか…

でも今ね!?
ほぼ死人だからね!?

かなりキツい。


(まぁ、これだけの麗人で圧死っつーのも、男冥利に尽きるか…)


なんて、ソージが覚悟を決めた時、フっと背中が軽くなった。

振り返る間もなく、骨と皮だけになった身体を抱きしめられる。

耳元で、吐息と共に囁かれる。


「難しいコトはわかんない。
でも今は私がいるンだから、アナタは一人キリじゃないわ。」




ナニソレ。

口説き文句じゃねェかよ。

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