花の名は、ダリア

それでまた、バケモノが反応するが…

大丈夫。
後少しなら大丈夫。

二度と会えなくなる前に、どうしても知りたいコトがある。


「最後に一つ、教えてください。」


カオリは、目の前に立つソージを真っ直ぐに見上げて問いかけた。


「あなたはどうして、今のあなたになったンです?
『貴族』であっても『ノエル』の下僕に変わりはないと、ダリアさんが仰ったでしょう?
後悔はないンですか?」


「ねェな。」


まさに即答。

愛しげに目を細めてダリアを見つめたソージが、驚きに瞳を揺らすカオリに求める答えを与える。


「ナニやってたンだろ、なんて考えちまうようなロクデモナイ人生を送ってた俺だケド、最期の最期にすべきコトを全う出来たワケ。
で、残ったのは、ダリアの傍にいたいって願いだけだったワケ。
だからそれまでの俺にも、今の俺にも、後悔なんてねェンだよ。」


おぉう…

『我が人生に一片の悔いなし』宣言キタコレ、カッケー…

ラ○ウか、コイツ。
まじカッケー…

最近じゃ、下僕で奴隷で飼い犬で、恋人でもあるンだぜっ☆なんて胸を張るソージから目を逸らし、カオリは俯いた。

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