月のうさぎ~寒がりな天使~


それから、何日かが過ぎ、俺はどんどん不安になった。


あれから一度も有希子は姿を現さなかった。


有希子、とか呼んじゃってるけど、実際俺は彼女のことを何も知らない。


遠い存在。

手の届かない人。


そして、もう会えないかも知れない人。



勇気を出し、俺はマンションへ向かった。

何号室かはわからないし、突然行って、もしかしたら彼氏が出てくるかも知れない。


でも、俺にとってこんな恋は初めてだから、どうしてもこの恋を失くしたくなかった。





< 20 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop