インナーラブ~恋の相手はイケメン上司~



屋上には5組ほどの社員達がいて、みんなお弁当を食べていた。


「うわ!うま!!お前、まじ天才やん!」


からあげを頬張った部長が私に顔を近づけて笑ってくれた。


「毎日作っても・・・いいですか?」


気付かれてもいい。

このキモチ。


好きだってキモチ、気付かれてもいい。


部長が喜んでくれるなら毎日作りたい。


「ほんまに?でも悪いやん!2人分ってしんどいやろ?」


「1人も2人も同じです。ご迷惑でなければ作ります!」


部長は、口をもぐもぐと動かしながら、ポケットの中から携帯電話を取り出した。


真っ黒なシンプルな携帯電話。


「迷惑なわけないやん!じゃあ、メールアドレス交換しよや。俺、弁当のリクエストメール送りたいから!」


ずっと知りたかった部長のメアド。


まさか、部長から言ってくれるなんて夢みたい。


「良いんですか?じゃあ、作れない日は、私も前日にメールします!」


「まぁ、別に『おやすみ』とか『愛してる』ってメールでも受け付けるけどな!はははは!」



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