星に願いを



「もうすぐクリスマスだね。太陽くんはどうするの?」


空気が冷たくなり、コートやマフラーが手放せなくなってきた。


街はクリスマスムードで溢れていた。


でもそんな世の中がウキウキしてるにも関わらず、俺は診察の為に病院に来ていた。



「クリスマスか~。何もないかな。空良が来てくれたらいいけど」


学校にもそんなまともに通えてない俺は、友達と呼べる友達がいなかった。


だから空良が遊びに来てくれないと、本当に何もなくクリスマスを過ごすだけだった。



「空良か。元気にしてる?」


「してるんじゃない?先生の方が知ってるでしょ?叔父さんなんだから」


「太陽くんの方が知ってると思うけどな」


そう言って先生はハハッと笑った。



< 19 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop