褐色のあなたに水色のキミ
真っ直ぐな視線
カレンダーが1枚めくられた、水曜日の朝。今日は、アッシュゴールドが定期的に訪問する日だった。


朝から、憂鬱だった。オフィスビルの3階で逢瀬を重ねるのは、いろんな意味でドキドキする…。


ふと、春日園の彼が頭に浮かんだ。あの時、なんで彼は3階にいたのか、それも気になっていた。オフィスビルの人間ならともかく…。


午前中をなんとかやり過ごし、ランチタイムになった。いつものように美鈴が、私を誘ってくれた。


「しーちゃん、前からちょっと気になってることがあるんやけど…」


アツアツのグラタンをふぅふぅしながら、上目遣いで私を見る。


「な、何?」


まさか⁉︎動揺のあまり、美鈴と目が合わせられない。


「彼氏、できた?」


「え…あ、いや…。なんで?」


「なんで…って?金曜日の夜は、早く帰ってるやん?」


「あ、ああ…ははは。彼氏、ではないんやけど…」


一瞬、目が合うと、すぐに視線をそらした。


「好きな人でもできた?」


「うん…まぁ…。うまくいくかわからんけど…」


「そうなんや⁉︎最近、肌が綺麗やと思ったら…そういうことかぁ…」


「それより、美鈴はどうなんよ?」


自分のことは話したくもないし、知られてはいけないこと。すぐに話題を変えた。


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