褐色のあなたに水色のキミ
家に帰ってから、ひとりで『お茶日和』を飲んだ。胸がいっぱいで、晩ご飯はいらなかった。


ペットボトルに口をつけると、ポットの紅茶をティーカップに注ぎながら、誠人くんが話してくれたことを思い出した。


『お茶を入れた時の色って、何色って言うと思う?』


『えっ?紅茶やから…紅?』


『ううん。緑茶でも紅茶でも水色(すいしょく)って言うねんて』



あの時は『ふぅん』と思っただけやけれど…。ひとりになって、思った。


見た目より照れ屋で、イケメンのわりには恋愛にウブな感じのする彼は、水色という言葉がよく似合う。


『すいしょく』という、透明感を含んだ爽やかな音の響きが、彼にぴったりだと思った。










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