星降る夜に。
私に婚約者がいなかったら…。この人の彼女だったら…。


私たちは自由にならない関係だ。ただでさえいけないことをしているのに、それ以上は望めない。望んではいけない。



ベッドにゆっくり倒されると、彼のものが侵入してくる。

焦らすように味わうようにゆっくりと。


私の中は彼のものでいっぱいになる。この感覚だって忘れたくない。



「莉子は俺のものだ」



優しくて甘くて強い声が私に夢を見せる。


私の中で熱を持っている彼に揺さぶられて、唇はキスで塞がれて、愛おしさと切なさが同じくらいに押し寄せ合う。


彼の背中にしがみついて、更に彼を求める。



「大輔…もっと…」




言葉には出来ないけれど、伝わるかな?

愛していると――――。












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