星降る夜に。
ハートのネックレスがテーブルに置かれ、代わりにパールのネックレスがつけられる。

私の首元になじんでいくのだろうか…。



「莉子に似合うわ。さすが誠くん、莉子に似合うもの知ってるわね」


「これなら制服のときでも邪魔にならないかと思って」



ハートのネックレスは大輔さんに会うときにだけ、身につければいい。

いずれはしまっておくしかない物だけど、こんなに早く…。


姉は私の曇った表情に気づいたようで、こっそりウィンクしてきた。



「小さくてシンプルなものは何にでも合うしね。このパールならちょっとしたフォーマルにもなるし、今まで使ってたものはドレスアップしても使えるし、莉子、ちょうど良かったわね。あんた、何にしても手持ちが少ないから」


「うん。手軽につけられるものが欲しかったから嬉しい。ありがとう」



誠さんはホッとしたように息を吐き出した。



「良かった。莉子、それ気に入ってるって言ってたから、僕が選んだやつは使ってもらえるか心配だったんだ」


「毎日使うね」



これはきっといい機会なんだ。
いつまでも大輔さんを引きずるのは良くない。
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