Revive

決意




僕は学校から出て、ひたすら走り続けた。
とにかく今は1人になって外の空気を吸って考えよう。
僕はどうすれば良い?
一体何をすれば良いんだ。
考えろ!考えるんだ!

僕もみんなと同じように夢野に近付かなければ、
もう2度と関わらなければそれで良いのか?

教えてくれ。誰か・・・。
その時、誰かが後ろから抱きついてきた。

「え!?」

僕はビックリして立ち止まった。

「どこに行くの?・・・空野君!」

僕はその声を聞いて、秋山だと分かった。

「空野君・・・私、どうしたら良いの!?
・・・もう分からない!」

秋山は泣いていた。

今の僕には秋山の辛さを理解できた。


「空野君はどこにも行かないで・・・!!お願い・・・!」


しばらくしてから僕は秋山の手を握った。


「秋山・・・」


僕は秋山と向き合った。
秋山の顔は涙で濡れている。

「そういえば・・・ずっと、言いたかったことがある」

僕は秋山の目を見た。


「・・・私には好きな人がいます。

彼は、綺麗な瞳をしています。

晴れた日の、

青い空を見ると、

いつも彼のことを思い出します。

彼は綺麗なブルーの瞳をしています」


僕は拾った恋ノートに書かれていた文章をそのまま言った。


「僕は道に落ちていたノートを拾った。
そのノートには、それだけ書かれてたんだ」

僕の言葉に秋山は驚いていた。

「あれは、君のノートだね?
そして、あの文章の「彼」とは夢野のことだよね」

秋山の好きな人は夢野だ。

秋山は今までずっと1人で悩んでいたに違いない。
夢野の側にいたい気持ちと、夢野を恐れてしまう気持ちの両方で揺れ動き、
ずっと悩んでいた。やがて自分の気持ちがだんだんと分からなくなっていく。

夢野を想う気持ちは本物なのか・・・ということが。








< 58 / 82 >

この作品をシェア

pagetop