Revive

真実





まず先に秋山が教室に入った。
僕はそのあとに続く。
先生が僕を見ていた。

「空野君、一体何があった?」

僕はそのまま黒板の前へと進む。
先生にももちろん伝えるべきだと思った。

「先生。僕、考えたんです。
僕の席に座っていた青木直弥君の死は、
本当に夢野君のせいなのでしょうか?」

僕の言葉を聞くとすぐに先生は夢野の方を見た。

「な・何を言っているんだ。そんなわけないだろう」

先生の様子は少しおかしかった。
急に慌てたように喋り出す。
もしかしたら先生も、「そうかもしれない」などと
ふざけたことを考えていたのかもしれない。

「この前、僕は青木直弥君の母親と話をしました」

僕は夢野の方を見た。

「夢野君と青木君の母親が2人でいるところを見たんです」

みんな驚いた顔をして僕を見ている。
これから僕が何を言おうとするのか予想もできないだろう。

「もちろん僕は最初、その女性が青木君の母親だとは知りませんでした。
夢野君と別れ、1人でこちらに歩いてきたその女性に、
僕は気付いたら話しかけていました。
青木君の母親だと知った時は驚きましたが、
それから僕に色々と話してくれました。
なぜ青木君があんなことをしたのか・・・」

僕はそこまで言うと秋山の後ろに座る伊達友希を睨んだ。

「伊達君、君は本当に青木直弥君の親友だったのか?」

僕にそう言われた伊達はしばらく固まったまま動かない。

「君はあの時、「僕の親友である青木直弥」と口にして、
青木君の死を夢野君のせいにしていた・・・」

実は、青木直弥の母親と別れる前、
母親の口から伊達友希という名前が出てきたのだ。
青木が亡くなったあと、部屋から日記が出てきたらしい。
その日記に書かれていたのが伊達友希のことだった。
その日記の内容を聞かされた時は驚いた。

「でも、本当はそうじゃなかった。
青木君は伊達君にいじめられていたんだよ」

僕がそう言うと、伊達は立ち上がった。

「何言っているんだ!
僕と青木が親しかったのはこのクラスの全員が知ってる!
転校してきたお前が、俺達の何を知っているっていうんだ!」

僕は伊達を更に睨む。

「最近見つかった日記に、伊達君のことが書かれていたらしい」

僕はゆっくりと伊達に近付いた。









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