Revive


夢野はまた眼帯をつけた。


「皆さん、この通り、僕は夢野の右目を見ました。
皆さんの考えでは、しばらくしたら僕は死ぬはずです。
さて、どのようにして死ぬのか・・・」

僕がそう言った時、

「空野君は死なない!!」

と言う声が響いた。

秋山だった。

僕は秋山を見て微笑んだ。

その時、秋山がステージの上にあがり、
僕を抱き締めたてきた。

その姿を夢野は優しく微笑みながら見ている。

「秋山っ、ここは僕じゃなくて・・・」

僕は小さな声でそう言ったが、秋山が僕の胸の中で
嬉しそうに笑っているのを見て、僕も嬉しくなった。

これで僕が生きていていれば、
夢野の父親や3人の医者の死も夢野のせいではなく、
偶然だったということになる。

僕達はそれから3人で教室へ戻った。

教室に入るとすぐに田口や磯谷達が僕達に近付いてきた。

「空野。俺達が・・・俺達が間違ってたんだ・・・。
俺達は青木のことも、夢野のことも、何も分かってなかった」

田口の言葉で教室は静かになる。

すると田口の隣にいた女子が泣きながら

「私、1回だけ伊達君が先輩と一緒になって青木君をいじめている所を見たの!
でも私・・・怖くて・・・伊達君はいつも私達の前では優しくて、
青木君と凄く仲良さそうにしてたから、どうしても信じられなくて・・・
見て見ぬフリをしたの・・・。あれは何かの間違いだって思うようにした。
青木君がいなくなったのは、夢野君の目を見たからなんだって
そう決め付けちゃった・・・!」

それを聞いた夢野は僕の方を見た。

「俺自身もそう思ってたんだから、仕方がない。
俺だって、青木の死はこの目のせいだと思ってた。
俺はまだ、不安なんだ。
これで空野がいなくなったら・・・」

夢野のその言葉を聞き、磯谷が首を振った。

「いや、空野は死なないさ。空野が俺達に真実を教えてくれた。
俺達がずっと知りたかった真実だ。
夢野、俺達はもう夢野のその右目を恐れたりしない。
もちろん触れることもそうだ。もうその眼帯を外しても良いだろ?」

磯谷がそう言うと、夢野は首を振った。

「そういうわけにはいかない。これを外すのはまだ早い。
空野の様子を見てからだ。」

夢野は落ち着かない様子僕を見てきた。



僕はいつか、クラス全員が仲良くなれる日を夢見ていた。

しかし、僕の考えは甘かった。
僕は、それを思い知った。






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