【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

本当のキノとは







*










「……………?」


ここ、どこ


あれ?


学校の屋上?


私、どうしてこんなところに。



きれいな青空を見上げながら私は首を傾げた。


いったいどうしちゃったの?



たしか、キノが川に飛び込んだんだ


ドボンッて、水しぶき上げて



星が綺麗で




「タカーーー!!」


「……え?キノ?」



フェンスに手をかけて振り返って私に手を振るキノ。

ああ、もしかして、夢だったのかしら


キノが川に落ちたのも夢で

学校始まって



キノったらすごい楽しそうに笑ってる

私もつられて笑顔になってキノに駆け寄った。


よかった

夢だったんだ。


何もかも悪い夢だったんだ


もう、心配したんだから



「キノっ!」


「わ、あぶねー」



思わずキノに正面から抱きつく。
するとキノは私を抱き締め返してくれた。

暖かい、大きい

キノだ、やっぱりキノだ。

キノは私の額に軽くキスするとじっと私を見つめた。



「タカ、どうしてマヒロとエッチしたの」


「え?」



あ、そっか

まだ、誤解ちゃんと解いてないんだっけ



「違うよキノ、ドッキリだよ。
マヒロくんがキノに痛い目見せてやるって

私も悪のりしちゃって、ごめんね」


「そうだったのか」


「そう」


「よかったぁあ……俺、死のうかと思った」




死という言葉に

ドキッと心臓が鳴った。


や、やめてよ、冗談は…
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