【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

茅野浅見

秋も深まってきた今日この頃。

山がだんだんと色づき始めて
肌寒くて

秋って感じになった。


文化祭も終わって

しばらくは何もなく過ごしていた…と言いたかったが
だいぶ文化祭でのことを冷やかしを受けながら過ごしていた。


キノとも、もう何のためらいもなく話せる。

忘れたわけじゃないけれど
キノがまた笑ってくれるよいになったから
今は、もう少し普通でいい。

かな、と思ってる。


色々あって疲れたし。


今日は秋晴れだ。


いつも通る道を少しだけゆっくり歩きながら風景を楽しむ。

そろそろ米も収穫の時期かな。


小学生たちがやんややんやランドセルを背負ってうるさく走ってる。


あれは、中学生だ。私の母校の。


普段目がいかないとこにまで目がいく。


む、あれはヤンキーか。

金髪が太陽のせいで余計眩しく感じる。

だらんだらんとこちらに歩いてくるので私は距離をとった。


あ、けっこうイケメン…
おいおい


私は別に面食いじゃないんだからそういうのはいけない、うん。


顔を背けながらすれ違う。

ヤンキーさんはちらっとこっちを見て通りすぎた。


こんな田舎にもあんな都会のヤンキーみたいなひとがいるんだな。
捨てたもんじゃないよここも。


ゆっくーりゆっくーり歩みを進める。

なかなか学校につかない。あと半分か。



「あ、…」


思わず声を出してしまった。

さっきのヤンキーが
私の後ろからまた通りすぎていった。


な、なんだ?

まさか目つけられて…

私なんかした?いや、してません。

私平和主義なんで。

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