【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

私はどこにでもいるような地味な女子高生だけど

キノを思う気持ちはきっと誰よりも深い、そうに決まってる。


出来ることなら


私はずっとキノのそばでキノの支えになりたい。



キノはアザミくんのことを知らないと言い張っていたけれど
嘘なんでしょ?


この髪どめに動揺したのだって、何かあるんだよね。


キノがつけたままでいいって言うからずっとつけてるけど。

髪どめを手に取ってもう一度じっくり眺める。

うんかわいい。

蝶々をかたどった髪どめは電気に照らされると黒く光る。

けど、キノの基準がまったく分からない。

誰かも知らない人からもらった髪どめはつけてもいいものなのだろうか。

それはいいのにアザミくんとあまり話すなって言うの矛盾してない?

キノは自分の昔の話をあまりしないから

キノが小学生だったころはどんな子でどんな性格だったのかなんて知らない。


キノの出身地さえ知らない。


聞けばいいのは分かってる

でも

聞いてはいけない気がするのもなんとなくわかる。



もう一度チャンスがあればキノのいないところできちんとアザミくんに聞こう。

キノを苦しめる理由を知って

私が支えになりたいから。
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