【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―

そういう雰囲気のキス



ようやく夏休みがやってきた。


毎日毎日猛暑が続くなか私のクラスは平日毎日学校に集まって文化祭の準備を進めている。


初めから劇を積極的にやりたいと思っていた人は少なかったけど

今ではみんな楽しそうに準備を進めている。


七瀬さんの爆弾発言からはや3日。

学校での七瀬さんはいつものようにおとなしいキャラだった。


キノには特別に接してるのが見え見えだけど

私は自分のことに集中した。


私はたぶん
キノを軽んじていた。

どうせキノはとか

キノに期待してもとか


だけど今は

もう少し
キノを信じてもいいと思える。
期待してもいいって思える。


自惚れてはいないけど


記念日の日のプレゼントが
すごくすごく嬉しかったから。


だからたとえ七瀬さんにキノが優しくても

女の子に笑いかけても


私は気にしない!


前と同じようで違う。

前はキノが何しようが気にしないって思ってたけど

今はキノが何しようが信じてるって思ってる。


重くない程度に!だけど



「キノくん、ダンスの練習しない?
キノくんあとはダンスさえ踊れたらだいたい終わりだし」


七瀬さんがキノに笑いかけた。


キノは台本の台詞をすでに暗記していた。

私はまだ片手に持ってないと出来ないのに。


ちなみに七瀬さんももう台本を手放している。


まだ夏休みに入って3日目なのに、頭の構造を見てみたいものだ。
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