手の届かないキミと


「なあ、」

突き刺さる言葉と視線。

私は怖気づいてしまって、顔をしたに向け、身動きひとつ取れない。


それでもハルくんは、攻撃の手をやめようとはしない。


「お前、俺のこと好き?」

そうだよ、私はハルくんのことが好きなんだよって、言いたい…。

けど喉はカラカラに渇いていて、唇も小さく震えるだけで、私の言うことをきかない。


黙りこむ私に、ハルくんは

「それともお前は、村山のことが好きなの?」と言う。


それは違うって否定したくって

「っ…!」

ハルくんの顔を見る。

< 205 / 466 >

この作品をシェア

pagetop