眼鏡男子の脳内デフラグ

彼女と歩く

夏に比べて太陽の沈みが早い道を歩く



流れで繋いだままの手



「さっき、話をしていたことが
もう、実現できました」

「そうだね」


知りませんでした

「…まっすぐの道でも、
手を繋げば遠回りと変わらないんですね」


「?」

「屁理屈です」



「じゃあ、曲がり道は?」

「手を繋げば迷いません」


「……全然、わかんないよ?」

「分からないように言ってるんです」



「もう!」と言って怒っていますが

僕の脳内ファイルにはきちんと保存されてますよ?



空いてる方の手で頭を撫でれば

「………むぅ」

「機嫌は直りましたか?」


「……ずるい」


ほらね



「すみません。こんな男なんです」


これが、僕の

あなたへの

侵入方法です



「松井さんのが、やり手だと思いますけどね」

「そうかな?どの辺が?」


「言いません」

「もう!」と言って笑った




そういう所ですよ


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