コンビニ砦の戦い(仮題)
樋口さんとは毎晩二人で見張りをしたが、特に何か話したりしなかった。
と言うより僕は樋口さんと会話の糸口を見つけようと数々の質問や話題を振ったが、樋口さんは短く答える事も有れば僕の顔をじっと見るだけという事も多かった。
僕と樋口さんでは年齢的に樋口さんが三つ上だかそれ以上の何か差が有るような気がして僕の自意識を傷つけた。
僕は樋口さんに馬鹿にされてると思うようになっていた。
だから、せめて想像の世界では樋口さんを惨めなただの女として汚し満足していた。
僕の鬱屈は日に日に増してるように感じられた。
渡辺さんの冗談も疎ましく山本さんの快活さも頭がおかしいのかと思えるようになっていた。
樋口さんさえ優しくしてくれればと恨みは樋口さん本人に向かうようになっていた。