エージェント Ⅱ




「あの二人、あんまり好きじゃないんだよ」

「え、」

「東のお話」



あたしが考えてることがわかったのか、希子さんは申し訳なさそうにそう言ってきた。




「別にウチは嫌いやないで。ただ昔、嫌いな女がいたなあと思うて」

「俺は嫌いっすよ」




一瞬、ピリッとした空気が流れた。




星子さんは興味なさそうな感じだったのに対して、星矢さんは拒絶のような…嫌悪のような…。






「ミツキちゃんが、嫌いだもんね」



星矢さんの態度に希子さんは嫌な顔せず、あたかもその通りのような返事をする。



また、"ミツキ"



星矢さんと、その人の関係って、何なんだろう。





ーーそして、あたしはここにいて、本当にいいのだろうか。





< 83 / 178 >

この作品をシェア

pagetop