【完】 Squall  ~いくつもの恋をして~



「Dewさん家のパンケーキは覚えてる?」


桐谷さんからの質問だった。


「え?」


パンケーキはおやつに出されることが多かった。


それがDewさんの家だったかどうかも定かじゃない。


Kennyの本当の名前を覚えていない薄情な私が他の人の名前を覚えている方が考えられない。


「わからないわ」


また桐谷さんは考えこみ


「ほら、あれだ。3人組の女の子のキャラクターで水色がスキだった」


これは覚えがありすぎだ。


「浅木のマグカップは今でもそのキャラクターだよな」


課長が吹き出した。


「好きなわけじゃなくて今では思い出だから大事にしてるの」


答えながらもしかしてkenny?なんて期待しはじめているのも感じる。


それをどう表現していいのかわからないけれど


期待を持ってドアを開ける瞬間のようなそんな感じだ。


そうだったら恥ずかしいとか困るとか不思議なぐらい思わない。








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