LOVE or DIE *恋愛短編集*

エピローグ

「ごめん、遅れた!」


勢いよく入口のドアが開いて、飛び込みざま良く通る声で彼女は言った。


「……遅い、桐谷」


俺が言うと、


「佐久間だって遅れたくせに!」


周りが騒ぐ。

が、気にしない。



「桐谷、ここあいてる」



隣をぽんぽんと叩くと

6年ぶりに見る彼女は、一瞬だけ目を見張った。



「久しぶり、佐久間」


言いながら隣に落ち着いた後、

いたずらな笑いを浮かべて耳元に口を寄せる。


「来ないと思ってた、麻里子先生の結婚パーティなんて」


「そっちこそ」


周りに聞こえないよう小声で、俺は返す。


「菅井は今日は来ないのに」



その時、俺は。



あの日止まってしまった何かが、


動き出したのを、確信した。
< 17 / 301 >

この作品をシェア

pagetop