LOVE or DIE *恋愛短編集*
「……目的、達成」


「なにそれ、言わないつもり?」


目を細めて、

桐谷がくすくす笑う。



「ちょっと佐久間と千鶴、前からそんな仲良かったっけ!?」


怪しい、と、周りがざわついた。



「さあ、どうだったかな」


いたずらに周りを煽る彼女を


俺も

多分、今、



理解、した――気がする。



「前からじゃなくて」


そこで一旦言葉を区切ると、続きを期待して周りが静まり返る。


視線が集まって

その中には、初恋の人のそれもあって


だけど、もう



迷いはない。
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