最初で最後の恋

颯人side


-颯人side-


ピ―――


鳴り響く機械音。


「う、そ・・・だろ・・・・?」


目の前には目を閉じた瑠璃がいる。


心なしか、その表情は優しかった。


「瑠璃・・・・。もう・・・・・一緒に・・・・・」



話せないのか?



笑えないのか?



一緒に過ごして、馬鹿みたいに笑って、幸せを感じて。


そんな日々をもう・・・・。


過ごせない・・・・のか・・・・・。




けど、不思議を涙は出てこない。


悲しいはずなのに。





誰かが言ってた。


“涙が出るから悲しいんじゃない。本当に悲しい時には涙さえ出てこない”と。



本当にそうだ。


今俺は、それを実感してる。



< 150 / 160 >

この作品をシェア

pagetop