最初で最後の恋
人がたくさんいる。
病院とは、比べ物にならないほどに。
「大丈夫か?」
「うん、平気」
ときどき、私の様子を伺う颯人。
気にしてくれているのが、直に分かる。
「もうすぐ着くからな」
「うん」
どこへ行くのかなんて、知らされていない。
サプライズかな。
ちょっとワクワクする。
電車にのって、バスに乗って。
それから少し歩いて。
着いた先は。
「海・・・」
綺麗なエメラルドグリーンに輝く海だった。