最初で最後の恋

「・・・・?」


困っていると、ふいに彼女が言葉を発した。


「颯人と別れて」


「え?」


彼女の口から出てきた言葉は予想だにしない言葉だった。


「颯人と別れてって言ってるのよ!」


急に大きな声を出した彼女。


「えーっと・・・・まず、名前を教えてくれる?」


「私は愛梨!颯人の彼女!」


「え・・・・?」


颯人の・・・・かの・・・じょ・・・?


「そんなはずないよ。颯人の彼女は私だもん」


颯人からも好きだって言われたんだし。


私は颯人と付き合っている。


颯人は私と付き合っている。


「そんなの、遊びに決まってるじゃない!本当の彼女は私なのよ!颯人と別れなさいよ!!」


病院だということもお構いなしに叫んでいる。


「遊びって・・・・。そんなわけないよ。颯人は、そんなことする人じゃない」


これははっきりと自信をもって言えること。


「チッ」






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