とりたいもの。
happy ending
裏庭についていた。
がむしゃらに歩き出したが、やはり足がここに向かってしまったようだ。
裏庭。
初めて雛深先輩に、会った場所。
ここで、いろんなことがあったなぁ。
走馬灯のように蘇ってくる。
「俺っ…俺…」
涙が止まらなかった。
涙と鼻水でぐしゃぐしゃになったこの顔を、雛深先輩は綺麗と言ってくれるだろうか。
綺麗と言って、写真を撮ってくれるだろうか。
「雛深先輩、雛深先輩が…。」
気が付くと、大声で叫んでいた。

「雛深先輩が、大好きだーーーーーー!!!!!!」

この声は、どこまで届いたのだろう。
犬の散歩してるおじさんに聞こえたかな。
今笑ってる抹陽に聞こえたかな。
隣町のみっちゃんに聞こえたかな。
隣の隣の県のお婆さんに聞こえたかな。
深海に住むお魚さんに聞こえたかな。
地球の裏側のブラジル人に聞こえたかな。
宇宙をさまようにーくんに聞こえたかな。
今笑っている抹陽に聞こえたかな。
…天国の雛深先輩に、聞こえたかな。

『聞こえたよ。』

草むらで、パシャっとシャッター音がして、誰かが笑ったような気がした。
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