キミと帰る道












放課後———。
季節が変わるのと同時に、日が落ちるのは早くて。
前よりも早く、教室はオレンジ色に染まった。





「すずー! あたし部活行ってくるね!」




「あたしも行ってきまーす!」





優芽ちゃんは〝Track and field〟と書かれたエナメルをななめにかけて。





聖羅ちゃんも、つい最近入った女子サッカー部のエナメルをななめにかけた。





「ふたりとも、がんばってね!」




「また明日ー!」




「ばいばいっ」





ふたりに笑顔で手を振る。
やっぱり運動音痴の私にとって。
運動部に入って、汗を流すふたりはかっこいいや。





「……はぁ…」





諦めるって決めたのに。
そういえば、帰る約束をしてたのを思い出した。





早く告白して…フられちゃったほうが楽だよね。





でも、まだ…心の準備ができてない。
フられる…準備はできてないよ。





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