キミと帰る道





(光輝)





突然の幼なじみの帰国。
突然の幼なじみの告白。





「好きなの、ずっと。
光輝には恋愛対象なんて…あたししかいないでしょ?
光輝はあたし以外の女の子なんて知らないんだから」





そんな告白になにも言い返せなかった。
だって、その通りだから。





だけど頭にチラつく女の子がひとりいる。





真っ直ぐな揺らぐことのない瞳。
ふわふわした透き通るような声。





そして、スマホを揺らすたびにチリーンと鳴る鈴の音。





誰だか思い出したいのに。
中々思い出せない、夢に出てくる女の子。





その瞳を見れば。
その声を聞けば。




頭にはちゃんと〝鈴〟が思い浮かぶけど。
名前までは…思い出せないんだ。





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