嫌われ者に恋をしました

 本当は眠っている雪菜に、こっそりいろんなイタズラをしたかったが、昨日はダメな日と言われたから、今日もきっとダメなんだろう。

 小さく、残念と呟いて雪菜をそっとベッドに寝かせると、髪を撫でてしばらく見つめた。万が一でも、瀬川に何かされるようなことは避けなければならない。

 瀬川は辞めるのをいいことに、いろんな奴に喧嘩を売ってやりたい放題らしい。ある意味、怖いものがない状態だから、厄介だ。

 なんとしても雪菜は守る。場合によっては、俺たちの関係がバレても構わない。

 俺が雪菜を好きなことは、木村にも神崎にもバレていた。瀬川にもバレていた。俺は自分で思うよりずっとわかりやすいんだろう。

 会社に俺たちの関係がバレても、すぐ異動にはならないだろう。それに、バレなくても俺が異動になることはほぼ確定している。

 異動のこと、雪菜にはいつ言おう。完全に確定してから言うべき、かな。変に不安を煽ってもいけないし。

 そういえば、瀬川が辞めたら雪菜をうちに住まわせている意味がなくなるんだった……。

 一緒に住むようになって、雪菜が毎日家にいてくれて、毎日顔を見合わせて笑ったり、毎日抱き締めることができるようになった。本当にこの上なく幸せで、もう別々に住むなんてとても耐えられない。

 雪菜には改めてはっきり、一緒に住んでほしいと言おう。ずっとずっと、俺のそばにいてほしい。
< 333 / 409 >

この作品をシェア

pagetop