嫌われ者に恋をしました

「じゃあさ、夏休み、どこかで会えない?」

「……ごめんなさい、それもちょっと」

「どうして?」

「いろいろ……、用事があるので」

「嘘つくなよ。俺、何か気に障ることした?」

 隼人はつい本音を言ってしまい、雪菜は少し泣きそうな顔をして、首を振った。

 ああ、またそんな顔をさせてしまった。隼人は後悔して胸が痛くなった。

「いいんだ、ごめん。気にしないで」

 雪菜はうつむいたまま小さく頭を下げると、小走りに去って行った。

 隼人は席に座ると、ため息をついて額を手で覆った。

 わからない。だいぶ近づけたと思ったのに、掴む前にスルッと逃げられてしまった。

 何が悪かった?本当はまだ瀬川と付き合っていて、あいつと飯なんか行くなって言われた、とか?もう既に別の誰かと付き合ってるのか?それとも、やっぱり俺のことは嫌いなのか。

 夕飯に行かないのに、外で会うわけがない。それなのに、逃げる者ほど追いたくなって、つい深追いしてしまった。断られて当然なのに。俺は何をやってるんだろう。

 思いのほか、ダメージが大きかった。これはしばらく立ち直れない。
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