近未来少年少女



『お前はこの世界から出たい、そうだろ?』

カシワギが確信を突くように言った


『…………』


そうだけど……俺はチラッと周りを見た

小人数とはいえ、あんまり聞かれたくない……


俺の様子を見たカシワギは、
『ったく、しょうがねーな……!
おい、てめぇら少しの間席外せ』とため息をついた


カシワギの一言で周りの人達は黙って部屋を出て行った

『これでいいだろ?』

部屋にはカシワギと俺の二人だけになった

緊張の糸がピーンと俺の中で針詰める

『………』


『まったく、用心深いねぇ、誰かさんそっくり』

カシワギが嫌そうな顔をした

俺は大きく息をはいて、覚悟を決めた


『カシワギは俺と何を話したいの?』

俺がこの世界に来た日から、何かと色々な事を探っている事は知ってる


俺に直接言いたい事があっても、いつもリーダーが間に入ってくれた


でも俺だってリーダーに頼りっぱなしな訳にはいかない

カシワギは一呼吸置いて、衝撃的な言葉を言った



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