近未来少年少女

┗それぞれの過去




だけど今は……慰めの言葉より、もっと大事な事を言わないといけない


『リーダー…
俺ミノルの事思い出した』

するとリーダーの空気が変わった

『本当か……?』


俺は頷いて、今頭の中にあるミノルとの事を話した
…………………
………

ふっと浮かんだ光景

一瞬だけど、ほんの一部だけど思い出す事が出来た

眩しいぐらい晴れたあの日
あの場所で俺はあいつに言った


“友達は作るものじゃなくて
いつの間にかなってるもの”だって


二人で夢を語り合ったあの場所で……………
…………
………………
………


『思い出せたのはそれだけなのか?』

話し終わった後、リーダーが言った

『うん…』


俺はなぜミノルにそんな事を言ったのか、まだはっきりとは分からない


だけど、あいつは一人だった

あの広すぎる部屋でいつも、いつも

何故……?なんでミノルはそんな所に居るの?

分からない、それ以上何も思い出せない


『ユウキ、ほんの一部でもこれは大きな進歩だよ』

リーダーがそっと俺の肩を叩いた


大きな進歩……俺もそう思う


俺の中に、俺の記憶の奥底にあいつは眠っている

そのほんの一部でも思い出せた事は、俺にとってとても大きな事だ



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