近未来少年少女



少年は少しイラついたように声を出した

『あんたまだこんな所でモタモタやってんの?』


は……?あ、あんたって……

『な、なんなの?お前…』

俺はびっくりし過ぎて言葉が出ない

なんで急に怒られなきゃいけない訳?すると少年ははぁ…とわざとらしくため息をついた


なッ………
俺もさすがに『誰だよお前?』とイラついてしまった

すると少年は俺の足元にあるボールをひょいッと蹴りリフティングをし始めた

トンットンットンッー…と足から頭そして背中へとボールを器用に乗せてゆく

う、上手いな…じゃなくて……!


『俺の話し聞いてる?』


俺が呆れた声を出すと少年は背中に乗せたボールを足に移動させ、そのまま勢いよく俺の方に蹴った


!!!!!

わ……ちょッ!

俺は上手く受け取れず、ボールはコロコロと遠くに転がっていった

それを見た少年はなぜか目を真ん丸くさせていた


『こんなボールも取れないのかよッ!お……』


何かを言い掛けて焦ってやめた

お……?俺は疑問に思ったが、とりあえず転がっていったボールを追いかけた



< 275 / 599 >

この作品をシェア

pagetop