近未来少年少女

┗白い花

《10年前》》》》》》


ﾄﾝｯﾄﾝｯトーンー…

サッカーボールを軽く蹴りながら､俺は当てもなく歩いていた

ﾄﾝｯトーン

どこかにいい場所ないかな…?


“いい場所”それはサッカーを練習出来る場所

別に学校やウノ川の土手とかでも嫌という程練習出来る

だけど俺はあえて別の場所を探していた､その理由は……

最近色んな人から“上手いね”と誉められる､それはすごく嬉しい

でもそれと同じくらい“上手くなるコツ”を教えてと言われる……


正直､自分がサッカーが上手いと思った事はなくて…だってお父さんの方が100倍上手いし

サッカーのコツなんて､俺だって教えて欲しいぐらいで……

でもみんなが“ユウキは上手い”と言ってくれるから､俺はもっともっと上手くなりたいと思っていた


そう思うようになった日から､みんなに見られるような所で練習したくなくなってしまった

なんでだろう…上手く言えないけど

簡単に言えば影で努力している姿を見られたくなかったのかもしれない


みんなの仲間に入れなくて一人で教室に居た俺は､今じゃみんなにサッカーを教える立場になった


“上手くね”“すごいね”と言ってくれるから

俺はみんなの知らない所でもっともっと練習して……

いつかお父さんにも“すごいね”って言ってもらいたい

お父さんは最近仕事が忙しくて土､日の休みが取れないらしい

もう２週間も一緒にサッカーを出来ていない


だからこそ誰も知らない所で､上手くなってお父さんにもびっくりして欲しかった

どこか………

どこかないかな……
…………


誰も知らないような場所で､サッカーが出来るどこはいい所は………

………………
………………………